乳になにかあった(3)がん告知

コロナになってしまった。

 

思えば、弾丸旅行後に寝不足の状態で生体検査をうけ、弱っていたのだろう。

検査で数ミリとはいえ両乳に穴が空いたのだ。ぐったりもする。

検査の3日後に参加した、4月に辞めた会社の仲間との飲み会でどうやら貰ってしまったらしい。

もう一人同じタイミングで高熱を出したと聞いた。

 

悔しかった。免疫力には自信があったし、手洗いうがいもしていたし、混雑した電車など人が多いところでだけマスクもしていた。

 

でも後悔はしていない。

夫と見た長岡花火は最高だった。

しばらく旅行なんていけないという確信がある。

今行っておかねば 今一緒にいなければ 今会っておかなければ

 

だから高知に帰省できなかったのは悲しかった

久しぶりに会う友人たちや家族、犬に触れ合いたかったな、仕方ないね。

きっとまた会えるからお預けなんだろうと思うことにした。

 

一方で39度の熱がでた3日間、最寄りのかかりつけ医(内科)は盆休み。

まぁ行っても対処は同じだろうと家にあったロキソニンで凌いだ。

 

熱が下がってからちょうど休みが明けたかかりつけ医にかかり、

のどの薬をもらう。

そして陽性確認。わかってたけど。

 

というわけで外出自粛期間なるものがあるが、これが件の生体検査の結果を聞く受診日に被っているではないか

 

しょーやまった……。

(土佐弁です。うわ、オワタ。くらいの感じ)

 

乳腺クリニックに電話し、予約の日に行けないことを相談すると

受付の女性が「確認します」と保留音が流れる。

 

音が止み、なんと院長先生(先日この先生が検査してくれた)が出た

「体調はいかがですか?そうですか……」

「このままお電話で結果をお伝え出来ますが」

 

かくして私は一人自宅のベットの上で、電話でがん告知をうけた。

 

自分で望んだこととはいえ、なんか想像と違うよね、告知シーン。

 

家族でさ、レントゲン写真とか囲んじゃってさ、神妙な感じでやるイメージあるよね。がん告知。

電話でさわやかに「はい、お願いします!」って言うとこじゃないのよ、たぶん。

 

根っからの八方美人というか、優等生気質というか、

こういう時私はこういう振る舞いするんだなって

改めて思ってすこし可笑しかった。

務めてさわやかに相槌を打った。

まぁそうやって自分を守ってるんだろうね。

 

また、職業病(※)というか、聞いている最中どこか他人事な自分もいて

先生のお話のされ方に関心してしまった。

先生は検査の時から落ち着いた声の方だったが

電話でも一切感情が読めないような低めの落ち着いた声でお話してくださった。

なおかつ、私の「はい」という相槌をしっかり待ってくださる絶妙な間合いにとても気遣いを感じる。優しい間だった。

間って本当に大事よねぇ。

※喋る仕事をしています

 

この後の流れを良く説明頂き、外出自粛期間開けに予約を取り直した。

 

改めて受診した際にも先生は決して「頑張りましょう」なんて言葉は使わなかったのがありがたかった

「治療していきましょうね」

という落ち着いた声が冷静さを後押ししてくれたように思う

 

いい先生だなぁ

 

このクリニックはあくまでも検査と緩和ケア専門なので

紹介状を頂き、大学病院へかかる。

 

もっかいマンモグラフィーすんのかなぁあああああ

するよねぇぇぇぇええええ

え、生体検査は!?あれももう一回する??するかな!?

痛いのやだよおおおおおおおおおおおおぉぉぉっぉっぉll

 

と脳内小人が騒いだけど

紹介状と検体を預かったその足で、満を持して大学病院へ向かった。