乳になにかあった(4)どきどき大学病院デビュー

大学病院を受診した

 

大きな病院はすごい。分業化されていて機能的だった。

受付や会計の列や仕組みもさることながら

中でも壮観だと感じたのは採血の部屋だ

 

採血の受付で自分の患者番号バーコードを読み込むと番号で呼ばれる

呼ばれた採血ブースに向かうという流れなのだが

 

横長の広い部屋にずらっと採血ブースが

まるで一蘭のカウンターみたいに並んでいて壮観だった

その各ブースに看護師さんがいる。

すごい。

この看護師さんたち、朝からずっとここで沢山の患者の採血をしているのだろうか

だとしたら経験値爆上がりじゃん

絶対痛くないじゃん!へーー!

と勝手なことを考えながら流れに乗って採血して頂いたのだが

 

そんな百戦錬磨だろう看護師さんが、採血後

「痛かったですよね?すみません。」とおっしゃった。

 

ん??確かに刺したの一回じゃなかった気がするけどあれ気のせいじゃなかったか。

痛くなかったので「大丈夫です。」とお返事したけど

なんか損した気持ちになったよね、だって気づいてなかったんだもの。

鈍感な私にも気遣いある優しい方でした。

 

さて、この日はエコー検査、マンモグラフィー(やはり痛い)、採血、CTまでやって終了。

持ち込んだ検体を染め直して検査するとのことで、今日もう一度生体検査しなくてよいことに心底ホッとした。

そりゃ針刺したくないよ。

きっと顔に出ていたのだろう、初診対応の先生に

「痛いですものね」

と言われてしまった。バレてる、ウケる。

 

CTは少しだけワクワクしてしまった。

自分の輪切り画像、見てみたくない???

MRIも今後の予定にある。ちょっと楽しみ。

こんなこと、匿名ブログだから気兼ねなく書かせてほしい。

 

そんな能天気な私だが、この日ひとつだけ

「あぁ、自分ってがん患者なんだ」

と実感したことがあった。

それは問診票の中のある設問だ。

 

初診なので問診票を記入するのだが、病歴や服用中の薬などの一般的な項目に交じって

 

「あなたの生きがいや趣味を教えてください」

というようなものがあった。

そういえば受付の方も「印がある項目以外は空白でもよいので回答できるところだけ書いてください」と言っていたな

 

唐突に生きがいを問われる場所、それが乳腺科。

 

ちょっとすぐに思いつかなくて空白で提出した。

待合で座る中、同じ空間にいらっしゃる他の患者さんたち、皆さん記入されたのだろうか……。

 

「飼い犬が」とか「推しが……」とか回答すると、今後主治医がその話題に触れて励ましてくれたりするものなのだろうか

 

 

美容室で「会話したい・したくない」みたいなカウンセリングシートあるけど

そういうものだろうか

 

世の中は、経験してみないとわからないことにあふれている

これから沢山、今まで知らなかった種類の気遣いにたくさん触れるんだろうな

 

それらの気遣い・優しさに、ちゃんと気づいていきたいと思う。